久留里 〜自噴井とともにある町並み〜

2006年12月20日

P1000064.JPG久留里は小さな町です。それこそ車でなら、カーステレオから流れる曲が、一曲終わるか終わらないかで通り過ぎてしまうくらいです。

でもそんな小さな町に、実にたくさんの自噴の井戸があります。ある調査では、久留里駅前の市街と、周辺農村との総計で、200本にも及ぶ井戸があるとしています。もしかすると道を歩いていて、人とすれ違うよりも井戸とすれ違うことの方が多いかもしれません。(?)


この町の井戸は、明治初期、上総地域にて誕生した、上総掘りという技術により掘られたものです。上総掘りについての詳細は、他のサイトや文献に譲りますが、人力で600メートルもの深さの井戸を掘ることができるという、ローテクながら高い掘削能力を誇る技術です。久留里では明治の中頃、生活用水の獲得を目的に市街地に掘られたのを始め、各所に井戸が掘られていきました。

上水道が整備された今日においても、それらの井戸は、身近な生活用水として、また農業用水として大切にされています。また天然の湧水に人々の関心が集まるにつれ、久留里は首都圏有数の名水の町として知られるようになりました。私は生水が怖くて飲んだことがないのですが(^^;)、久留里の井戸の水は大変おいしいそうです。また井戸により味が違うそうで、美味と評判の井戸には、休日ともなると人だかりができています。

さて、久留里が水に恵まれているのは、房総の気候と地質構造によります。県内最多の降水量を記録する、千葉県南部の丘陵地帯。ここに降る雨が森林にキャッチされ、ゆっくりとろ過されつつ地下深く浸透し、ところどころに水の層を作っています。この層が周りの地層から押されている”被圧滞水層”となっているために、上総掘りでこの部分を掘り抜くと、かかっている圧力の分、水が地表へと噴き上がります。

地下100メートルオーバーからの被圧地下水の噴出。これが「久留里の名水」の正体なのですね。

ところで上の写真は、小市部・円覚寺の境内にある井戸。上総掘りで掘られた井戸としては最も深い井戸(600〜700メートル?)と噂されています。井戸の左に見える小さな石碑は、水神宮を祀ったもの。井戸を掘った職人さんの名前も見えます。この職人さんのご子孫にあたる方が時々いらして、周囲の草を刈られているそうです。その他、今では人も訪れるのも稀なこの井戸ですが、こんこんと水は湧き出てとどまることがありません。

人知れず土地を潤し続ける、有名無名の井戸たちのために、乾杯。




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posted by にせもろこ Comment(2) | TrackBack(0) | ニュース&レポート
この記事へのコメント
確かに無殺菌なのは怖いですね。しかし一応保健所のお墨付きがあるので、私は湧き水のある所では飲んでます。湧き出たばかりの名水を飲むと時間の経過したミネラルウォーターが臭くて飲めません。
Posted by Glutton at 2007年01月07日 00:14
コメント遅くなりすみません(+_+;;
水も新鮮なものがおいしいのですね。
ブログ”BONAPPETIT”は写真がとても美しいですね!
久留里の井戸もあんな風に撮ってもらえて喜んだことと思います(^^)

Posted by にせもろこ at 2007年01月23日 13:22
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